ike33329’s 執筆作品集

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副業としての不動産投資

0.はじめに

あなたはなぜ、不動産投資に興味を持ちましたか。儲かりそう? 簡単そう? リスクが低そう?
上手にやれば、どれも正解なのでしょう。その上手なやり方について、説明していきたいと思います。
ただ、心にとめておいてほしいのは、年200万円の収入を得るのに、6千6百万円の物件を取得する必要があります(後述)。つまり不動産投資といえども、「6千6百万円の新規事業」を行うのと同様の心構えが必要ということです。
 
さあ、覚悟をもって、細心の注意を払いながら始めていきましょう。
 
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1.最初に「すべきこと」

(1)ターゲットを決める~本業年収の半分を目指す

・年収400万円の人はその半分、200万円の不動産収入を目指しましょう。
・3%の利回りとすると、「200万円÷3%」で、6千6百万円の投資物件取得となります。
 (注)年収400万円、貯金ゼロ。この人が目指すのは、残念ながら不動産投資ではありません。投資物件取得に付随して、掛かる諸経費があるからです。
  Q:フルローン(必要資金全額融資)があるんじゃない?
  A:最近は、金融機関の審査も厳しく、フルローンは期待薄です。また、フルローンが可能だとしても「フルローンになるということは、毎月のローン返済額が高額になる」ということであり、ちょっとしたトラブル(入居者退所や自然災害)で、ローンの返済が行き詰ってしまいます。

(2)頭金・諸経費資金を準備する

・経費については、物件価格の15~30%持ちたいものです(6千6百万円で算定すると、ほぼ1千万円~2千万円となります)。
・もちろん、6千6百万円の物件を一気に購入する必要はなく(たとえば、2千2百万円の物件3棟)、最終的に資産合計で6千6百万円になればいいのですから、準備資金も個別物件取得分ずつ貯めればよいのです。

(3)家族と相談する

・配偶者と相談しましょう。なんせ、6千6百万円の新規事業です。
・さらに物件を取得すると、日々の収支管理や物件状況の確認、確定申告書類の作成など、本業を持つあなた一人ではほとんど不可能です。
 

2.業者選定

(1)物件を探す前に不動産業者を探せ

残念ながら、不動産業界への参入障壁が低いこともあり、一定の割合で悪徳業者が存在します。複数の業者を回ってみて、自分の目・耳で信頼できる業者を見つけましょう。
 <判断基準の例>
 ・自分の投資ポリシーを、理解してくれているか。また、自分の要望が「無謀」な場合、修正してくれるか。
 ・良い物件を、紹介してくれるか。
 ・顧客本位に考えてくれているか。
 ・物件のシミュレーションは、実現可能か。

(2)複数業者を比較

複数の業者から話を聞くと、自分の知識が増加するとともに、営業マンの嘘も分かるようになります。複数業者は、以下の中から選ぶと、視野が広がります。
 ・中古を扱う業者と、新築業者
 ・区分マンションを扱う業者と、一棟もの業者(あるいは、戸建て業者)

(3)営業マンについて

   以下の点に注意して、見極めます。
 ・物件が売りに出されている理由を、把握しているか
 ・物件の周辺を、実査しているか(周辺状況を、知っているか)
 ・デメリットも説明しているか
  (加えて)営業マン自身に、不動産投資の経験があればベター

(4)販売後の賃貸管理

 ・「売りっぱなし」の業者が多いのも、実態としてあります。
 ・しかし不動産投資家としては、物件を取得してからがスタートであり、その面倒も見てくれる業者が必要なのは言うまでもありません。

(5)自身の調査・勉強が必要

・上記を満たす「良い業者・良い営業マン」を見つけたとしても、その営業マンに「おんぶにだっこ」ではいけません。自身でもさまざま調査し、また分からないことは勉強する必要があります。何度も言いますが、6千6百万円の新規事業なのです。
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3.物件の決定

(1)エリアの決定

 以下の点に注意し、エリアを定めます。
 ・ エリアの人口が、今後増加傾向にあるか(住宅地としての将来性。再開発やプロジェクトの予定)
 ・ 震災が起きた場合の被害確認(地域危険度マップ)、液状化リスクの確認。

(2)物件のチェックポイント

   以下の点をチェックしていきます。
 ① 物件そのもの
   a.外部関連
    ・モニター付きインターホンがあるか
    ・壁の厚さは十分か。近隣の生活音が、どの程度聞こえるか。
   b.居室内
    ・コンセントの位置・個数
    ・エアコンの新しさ、機能
    ・照明器具の有無
   c.ベランダ
    ・日当たり・眺望
    ・防犯性
    ・窓解放時のにおい
   d.水回り
    ・キッチンの使い勝手
    ・トイレの仕様
    ・バスルームの広さ
    ・洗面台の使い勝手
  ② 共用部(マンションの場合)
   a.出入口関連
    ・オートロック、モニター付きインターホンがあるか
    ・不在時に受け取れるため、必須。宅配業者を装った不審者の侵入も防げる
   c.ゴミ出し
    ・清潔に保たれているか。分別、曜日の管理は適切か
   d.駐車場
    ・料金はいくらか
    ・入出庫しやすいか
  ③ 周辺環境
   a.交通アクセス
   ・業者の資料と差異はないか
   b.周辺施設
   ・スーパー、病院、学校、コンビニの位置
   c.周辺道路
   ・交通量、騒音を確認
 

3.買付申込~銀行ローン申込

(1)買付申込書の提出

  上記の手順により、「任せたい不動産業者」「購入したい物件」が決まったら、買付申込書を提出します。これは売主に、「購入したい意思を示す」ものです。以下の情報を、記載します。
 ・物件の名称・所在地
 ・買付希望価格
 ・支払方法
 ・手付金の金額
 ・有効期限など
 (注)買付申込書の提出によって、必ず購入できるわけではありません。同じ物件の購入希望者が、いる可能性もありますから。

(2)金融機関への申込【事前審査】

   自分で金融機関に行くケース、不動産業者から金融機関を紹介してもらうケースの、二通りあるようです。後者のほうが、スムーズに進む確率が高いです(ここも、業者選定のポイントになります)。
  <ローン申込時の必要書類>
   ・源泉徴収票
   ・既存借入の返済明細表
   ・身分証明書
   ・購入物件の収益が分かる資料
   ・保有不動産の評価額が分かるもの
   ・保有金融資産が分かるもの
  (注)この段階では、あくまでも「事前審査」であり、売買契約後に「本審査」を経て、融資実行となります。
 

4.売買契約締結

  銀行の事前審査でOKが出たら、不動産業者と(あるいは不動産業者を仲介として)売買契約を締結します。
  重要事項が説明されますが、自分が納得いくまで、契約は留保しましょう。疑問点をすべてクリアにしてから、押印しましょう。
 (注)銀行ローンで購入する場合は、「融資特約」をつけましょう。これは、銀行ローンが承認されない場合に、ペナルティなしに売買契約を解除できる特約です。これがないと、手付金は戻ってきません。
 

5.銀行へ、本審査申込

  2週間から、1か月程度要します。
  事前審査時と条件が変わっていなければ、基本的に承認されます。
 

6.物件引き渡し

(1)最終チェック

   売主、買主、不動産業者が立ち会って、物件が引き渡し可能な状態にあるかチェックします。

(2)所有権移転

   銀行ローン実行、代金支払い、所有権移転登記等、最終手続きを、関係者が一堂に会して行い、手続き完了となります。
 

7.おわりに

  記事の途中で、「6千6百万円の新規事業」と何度かコメントしましたが、「全部管理会社任せ」とか「何もせずに毎月家賃収入が入ってくる」訳ではないのです。
  大家として、できることはきっちり行い、店子との良い人間関係を構築することで、事業が継続できるのです。
  では、新人大家さん、ガンバレ!