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採用面接で聞いてダメな項目をわかりやすく解説

採用面接の会話の中で、応募者におかしな顔をされたことはありませんか。聞いてはダメなことを、質問したのではないですか。

最近は人手不足で、人材募集を頻繁に実施せざるを得ない会社が増えています。採用活動の最終段階では、求職者との面接が実施されるのが通例ですが、採用側の皆さんは質問してはいけない項目を理解してから、面接に進む必要があります。さもないと場合によっては「公正な選考をしない悪い会社」との風評が広がったり、あるいは「法律違反」の可能性も出てきます。

今回、採用面接における「まずい質問項目」をまとめてみました。これを理解して快適な面接を実施することで、採用率も向上するに違いありません。

 

公正な採用選考の基本(厚生労働省)に沿って説明

厚生労働省が採用の基本的考え方について、明らかにしています。項目ごとに、説明していきます。中心となる考え方は「応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しない」というものです。

(注)厚生労働省資料「公正な採用選考のために」

https://www.kaigotsuki-home.or.jp/assets/img/register/news1405_2.pdf

 

本人に責任のない事項の把握

本人の責任ではないこと、つまり本人が努力してもできない・変えられないことについて、質問してはいけません。

  • 本籍・出生地
  • 家族
  • 住宅状況
  • 生活環境・家庭環境

本籍などを質問することは、地域によっては「同和差別」を思い浮かべます。

家族について質問することは、家計の裕福度や遺伝性疾病の有無を疑われているような気になります。

生活環境の詳細な質問からは、LGBTを推測しているのでは、と考えるかもしれません。

本来自由であるべき事項の質問(思想・信条にかかわること)

思想・信条の自由は、憲法で保障されている権利です。この権利を侵すような質問は、基本的人権の侵害となります。

  • 宗教
  • 支持政党
  • 人生観・生活信条
  • 尊敬する人物
  • 思想
  • 労働組合学生運動などの社会運動
  • 購読新聞・雑誌・愛読書

これらの質問をする理由は、入社してから経営者の「敵」にならないか、という懸念からきていると思われます。しかし採用にかかわる法制上は、個人としてどのような思考や考え方を持っていたとしても、それは仕事の適性や能力に無関係であることから、採用面接時に質問すべきでないとしています。

不適切な選考方法

面接時の質問以外にも、次の行為も不適切とされています。

  • 身元調査の実施
  • 適性・能力に関係ない事項を含んだ応募用紙(社用紙)の使用
  • 合理的・客観的に必要が認められない採用選考時の健康診断実施

自宅周辺の略図を書かせる行為は、身元調査につながる可能性があります。

応募用紙については、全国高等学校統一応募用紙や、JIS規格の履歴書を使用しましょう。

採用時(採用が決まった後)の健康診断規定はありますが、採用を判断するのに健康診断を実施してはいけません。

 

不適切な採用選考の実態

ハローワークの資料※によると、応募者本人から「本人の適性・能力以外の事項を把握された」と指摘があった割合は、以下のとおりです。思いのほか多い、と感じるのではないでしょうか。

  • 家族に関すること  42.9%
  • 思想 11.3%
  • 住宅状況 7.6%
  • 本籍・出生地 3.9%
  • 健康診断 1.8%
  • その他 32.5%

※ https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/dl/saiyo-03.pdf

 

まとめ

今回、「面接でしてはいけない質問」についてまとめてみましたが、現場の面接担当者の方は、結構おどろいたのではないでしょうか。出身地や家族については、雑談の延長で尋ねてしまいがちですから。

しかし上記のように国の規制が施されているということは、求職者本人にとっても、その人の家族など周辺状況にとっても、高い可能性で不具合・不都合が発生しうる(している)という現実からフィードバックされているのだと思います。

面接担当者は、求職者の気持ちを深く思いやって、適性な質問によりその仕事にあった人を採用したいものです。